クルマの燃費を悪くする
ダメな走り方とは?

 さて、走り方です。走行モードを設定できるクルマは、「エコモード」などの燃費重視のモードを選ぶようにしてください。そして、むやみな急加速は避けましょう。特に後続車がおらず、急ぐ必要がないときなどは、アクセルをジワッと踏んでゆっくりと発進するのが高効率です。その際は、右足のかかとをフロアに付けて「親指の付け根」でペダルを踏むと、足首の動きが安定する上、より細かな操作ができます。

 燃費を高める上では、フットブレーキを使い過ぎないことも重要です。 エンジン車でブレーキを使うと、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して大気中に捨てていることになります。そのため、できる限り使わないほうが効率は上がります。

 例えば、先の信号が赤なのにアクセルを踏んで加速してから、ブレーキペダルを踏んで急停車するのはガソリンの無駄遣いです。状況に応じてアクセルを緩め、エンジンブレーキを効かせて止まったり、信号の切り替わりを上手に狙って運転したりした方が燃費も良くなります。

 ちなみに、EVやハイブリッドカーで働く回生ブレーキは、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収し、再利用できます。アクセルペダルを緩めるだけでも回生ブレーキは効きますが、一部の車種はブレーキペダルを踏むことでより回生量を増やせます。下り坂では、その充電効率はさらに増します。

 そのため、下り坂の直前でクルマを満充電してしまうと、回生ブレーキを駆使して無料で充電できるチャンスを無駄にした挙句、わざわざお金を払って充電していることになります。 EVユーザーは「いつどこで充電するか」も考えながら、効率的なルート設計をしてみてください。

 そして実は、ガソリン車もどこで給油するかが重要です。燃費という本題からはちょっと外れますが、一般ドライバーにとっては「1リットルで何km走れるか」ではなく「100円で何km走れるか」こそが重要です。

 その観点では、高速道路に乗ってから、サービスエリア(SA)内のガソリンスタンドなどで給油するのはお金が少々もったいないと言えます。高速道路上のガソリンスタンドはガソリンの輸送にコストがかかるほか、地域内の価格競争が生じないため、価格が割高になりがちだからです。