「相談」の頻度を上げて
味方になってもらう

 こうした気難しい上司との関係性を構築するために、最も重要かつ効果的なのは、「コミュニケーション頻度を上げる」ことです。

 朝の挨拶なども含まれますが、特に大事なのは、「相談」の回数や頻度です。

 相談は、自分の困りごとを解決するためのものだと思われがちですが、実際には、相手の考えを引き出すためにも極めて有効なツールです。こまめに相談すると、こちらの考えを伝えつつ、相手の思いや考えを理解することができます。

 気難しい役員は、得てして義理堅く、人情に厚いです。そういう人は、一度、仲間だ、身内だ、と認識すると、非常に心強い味方になってくれます。

 なお、「報告」という表現をすると、相手は身構えます。なにか重要な判断をしなければならないと感じて、ガードを固めます。判断には責任が伴いますから、足りない情報や、論理の穴をめざとく見つけて、細かく指摘しようとしてしまうのです。

 一方、相談は、こちらが困っていることが前提ですから、それを助けてあげるというマインドセットでスタートします。こうなると、相談してきた相手を攻撃しようという気持ちはなくなり、一緒に課題に立ち向かおうと考えるはずです。

 援護射撃をする立場で打ち合わせに臨むわけですから、相談内容について否定的な発言をする場合にも、自然と前向きな改善策の話になっていきます。