国の予算案作成を担い徴税権も持つことから、「最強の官庁」として君臨している財務省。上場企業の社外取締役になっているOB・OGは101人に上り、12ある府省の中で最も人数が多かった。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#1では、財務省出身者のランキングを作成。ダイヤモンド編集部推計の役員報酬の総額で1000万円を超えたのは、やはり最多の40人。トップの金額は4471万円に達した。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
役所&日銀出身の社外取909人の経歴を精査
報酬額を全公開!第1弾は「最強官庁」財務省
企業ガバナンス改革の旗手とされる社外取締役。社外の客観的な視点が企業経営にとって重要性を増す中、役人のOB・OGが人材供給先として存在感を増している。
「行政経験を積み、企業経営にも一定の理解がある元官僚の知見は貴重だ」(大手銀行幹部)との見方がある一方、「形を変えた事実上の天下りではないか」といった懐疑論も出ている。
そこで実態を探るべく、ダイヤモンド編集部は、企業統治助言会社のプロネッドが集計した政府機関出身の社外取延べ1282人のデータを基に、有価証券報告書などにある経歴を精査して909人(地方自治体や日本銀行のOB・OGを含む)に絞り込んだ。
さらに、役所・日本銀行出身の社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。出身省庁や役職に着目した実名報酬ランキング計16本を作成し、彼らが高額報酬に見合う働きをしているかどうかを検証できるようにした。
第1弾の今回は、財務省を出身母体とする社外取101人を取り上げる。国の予算案作成を担い徴税権も持つ財務省は、「最強の官庁」として君臨してきた。その力を反映する形で、101人という社外取の数は12ある府省の中で最多となった。
それでは早速、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェックできるだろう。
また、財務事務次官や財務官、国税庁長官などといった「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。