ランキング上位を占める九州・沖縄地方
「幸せ」の価値観は変わったのか?
注目すべきは、前年15位だった和歌山県が4位、同じく19位だった福井県が5位と、いずれも順位を急上昇させたことだ。
「福井県では北陸新幹線の開通によって観光客が急増し、恐竜ブームも相まって現在もホテルや旅館の予約が取りにくいほど注目されている。『100年に1度の大チャンス』と言われるほど注目されていることが、県民の喜びに通じているのではないか」と田中社長は分析する。
ランキング上位には沖縄県、大分県、宮崎県、鹿児島県など九州・沖縄地方の県が多い。一方で、ランキング下位には首都圏など政令指定都市を有する都府県が目立っている。平均所得が高いであろう都府県の幸福度が低いという状況は興味深い。
田中社長は、「日本ではお金や裕福さが幸福の指標とされていたが、この価値観が崩れてきた。最近の若者は、地方に移住して自然と触れ合いながら自分にとって意味のある生活を求めるようになっている。こうした価値観の変化が幸福度に影響を与えているのではないか」と分析。
生活の利便性よりも、自分の価値観や本能を優先する生き方が注目されているのかもしれない。
なお、47都道府県のうち前年より幸福度が上昇したのはわずか8県で、残りの39都道府県は前年より低下している。
(フリーライター 西嶋治美)