対外純資産ランキング
33年連続トップの日本が2位に
日本が昨年、国内総生産(GDP)においてドイツに抜かれ、世界4位に後退したことは記憶に新しい。
高度経済成長が続いた日本は1968年、国民総生産(GNP)で西ドイツを抜き、アメリカに次ぐ世界2位の経済大国となった。しかし2010年、日本のGDPは「世界の工場」として急成長した中国に抜かれて3位に後退した。そして2023年、日本はドイツにも抜かれて世界4位に後退した。
それでも海外に持つ資産から負債を差し引いた「対外純資産」において、日本は2023年末まで33年連続で世界最大だった。ところが、その対外純資産でも、日本は2024年(今年)3月末にドイツに抜かれ世界2位になった。
【2024年3月末の対外純資産のランキング(IMF一次推計値:1ドル=151.25円)】
1位 ドイツ:3兆3205億ドル(502.2兆円)
2位 日本:3兆2209億ドル(487.2兆円)
3位 中国 :2兆9618億ドル(448.0兆円)
4位 香港 :1兆7969億ドル(271.8兆円)
5位 ノルウェー:1兆6094億ドル(243.4兆円)
GDPだけでなく対外純資産においても他国に対し後退しているように、日本の世界におけるプレゼンス(存在感)がどんどん低下している。日本国民としては寂しいことだが、対外純資産が世界第2位になることは、日本にとって問題だろうか?
以下では対外純資産を通じて、日本の順位が後退している背景と、日本経済の今後と課題を考えてみる。