日銀、7月利上げは失敗だったのか?
非伝統的金融政策からの「出口」踏み出す
日本銀行の7月の政策変更は、直後に日経平均株価がブラックマンデー時を超える過去最大の暴落となったこともあって評判はいまひとつだ。
2%の物価安定目標を超える物価上昇が続いているのに日銀の対応が後手に回り、超低金利と量的緩和を長期化させた。あるいはそれが円安とインフレを助長してきたといった批判もある。
だが7月の政策変更が国債買い入れ減額計画の決定と実施、追加利上げをセットで行い、非伝統的金融政策からの出口を抜ける道筋を開いたことは間違いない。
日経平均株価はその後、3万8000円台を回復(9月4日終値は3万7047円61銭と、8月21日以来の3万8000円割れ)、ダウ平均株価も、FRB(米連邦準備制度理事会)の9月利下げ開始が確定的になり、
4万1000ドル台に回復するなど市場は落ち着きを取り戻しつつあるように見える。
米国景気の動向など不確定要素はあるが、日銀は早ければ12月の金融政策決定会合で再び政策金利を引き上げる可能性がある。