同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【盲点】新しすぎると売れない。そんなとき効果を発揮する「MAYA」とは?Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「ムーブメントを起こすMAYAの法則」である。

【貧す人】商品について、詳しく説明しよう
【稼ぐ人】商品について、喩えて説明しよう

 爆発的なムーブメントを起こすカギになるのは、インフルエンサーにアプローチすることではない。
 ムーブメントはインフルエンサーの周辺にいる人が発火点になることが多い。

 例えば、ピコ太郎のヒット曲「ペンパイナッポーアッポーペン(Pen-Pineapple-Apple-Pen、以下PPAP)」は、ジャスティン・ビーバー(カナダのポップミュージシャン)が紹介して世界的ヒットになったが、ジャスティン・ビーバーにPPAPを伝えた人がいる。

 今の時代、あるジャンルで突出すると、マルチチャンネルで世界中に広がっていくのだ。

 商品・サービスを広めるのも同じ。
 コスメやファッションアイテムなどは芸能人が使うとヒットするといわれているが、芸能人にどうやって商品を知らせるか?

 そのカギはヘアメイクの人。
 ヘアメイク中のおしゃべりする時間がポイントだ。

「ムーブメントを起こすMAYAの法則」とは?

 そこで、人に理解されやすくする原則が「MAYA」である。

 MAYAは「Most Advanced Yet Acceptable」の略。

 これは『Hit Makers──How Things Become Popular』(Derek Thompson著、Penguin)という本の中で紹介されている。

 カンタンに言うと、MAYAとは「最先端すぎてイメージしにくいものを、身近でなじみのあるもの」に喩えるとブレイクするというものだ。

【貧す人】は、見たこともない、聞いたこともないものを、なんとか説明してわかってもらおうとするが、なかなか受け入れてもらえない。

【稼ぐ人】は、可能な限り顧客がイメージできるもの、なじみのあるものに喩えて説明する。

 こんな事例がある。
 あるアメリカの不動産会社が、中華料理の屋台が数多く出店しているハワイのショッピングモールを売却しようとしたが、なかなか売れなかった。

 こういうコンセプトが今までなかったからだ。

 そこで、「ハワイのショッピングモール」ではなく、利回りのいい「テーマパーク型ショッピングモール」として販売したところ、売れたのだ。

 顧客がイメージしにくい提案は、なかなか受け入れてもらえないもの。

 ポイントは「派生形」。

 既に売れている商品のさらに良いバリエーションという位置付けで販売してみると、直感的にわかりやすくなり、売れるようになるのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)