同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「松竹梅の法則」である。
【貧す人】これを買いませんか?
【稼ぐ人】AとBとCのどれがいいですか?
先ほど、選択肢が多いと顧客は選びにくくなる実験結果を紹介したが、商品・サービスを1つしか用意しないのも、【貧す人】に一直線。
選択肢が1つだけだと顧客は、「それを買うか? 買わないか?」の二者択一になる。
【稼ぐ人】は、必ず複数のラインナップを用意する。
最低2つあれば、「AかBか」二者択一になる。
例えば、「スタンダード」と「デラックス」。「シンプル」と「コンプリート」など。
「松竹梅の法則」とは?
最もポピュラーなのは、3つの選択肢を用意する「松竹梅」の3パターンだ。
松竹梅とは、グレードのことで、松が一番上、竹が真ん中、梅が一番下だ。
松竹梅のグレードを設計するには、3つの切り口がある。
価格、性能(品質)、顧客(販売)側の関与の度合だ(下図)。
価格と性能(品質)はわかりやすいが、「顧客(販売)側の関与の度合」は、経理ソフトの例でいえば次のようなイメージだ。
梅:すべて自分で入力する
竹:わからないときは、チャットでオペレーターに問合せできる
松:データだけ渡せば、入力代行してくれる
松竹梅の価格設定をすると、真ん中が選ばれやすい。
これは行動経済学では、「極端回避性」「妥協効果」と呼ばれている。
「松」が売れるチャンスを逃すな
もう1つ注目すべきは、松のグレード、つまり高価格帯を用意すると、一定割合で「松」を選ぶ人がいる点だ。
これはマーケッターの実体験からいえるのだが、行動経済学の実験でも証明されている。
選択肢がBとCの場合の選択結果と、そこに上のグレードを入れたA、B、Cにした場合、一定割合で、一番上のグレードAが選ばれる。
さらにBとCの割合が変化し、真ん中のBを選ぶ人の割合も増えるのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)