「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・佐藤 里咲)
Q. よく知らない相手とうまく話すコツは?
──私は内向型の性格ですが、初対面の人に自分のことをどの程度話せばいいのか迷ってしまいます。自己開示がうまくいくようにするコツはありますか?
「オープンにしていいこと」を決めておく
ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 自己開示をすることって難しいですよね。内向型の人の中には、自分自身のことを話すことが苦手な人も多いと思います。私もその一人です。SNSを更新するのにも躊躇してしまい、投稿が少ないんです。
けれど、ちょっとした雑談をするにしても、「天気の話」だけだとつまらないですよね。多少なりとも自己開示をすることで、初めて相手との距離が縮まるんだと思います。
そこで、無理のない範囲で、自己開示をしやすくするアドバイスを二つ紹介します。
一つ目は、「自分でオープンにしていいことを見つけておく」ことです。
「出身地」「趣味」「血液型」などなんでもいいので、自分にまつわることで何かしらオープンにしてもいいと思えることを決めておくといいと思います。
ちょっとしたことでも自分の情報を共有すれば、相手も親密になれたと思ってくれるはずです。
たとえばですが、私は「野球観戦が好き」ということは自分からオープンに話すと決めています。最初からオープンにすると決めているので、抵抗なく話すことができるんですよね。実際に野球の話で、たくさんの友人をつくることができました。
そうやって、相手との関係に接点をつくることができると、初めて会った人との会話でも、楽しむことができると思います。
「友人の話」として語る
チャン氏 もう一つテクニックとして、「自分の話を友人の話として語る」ことも有効な手段です。
自分が過去にした経験を話すとき、少し抵抗感を覚えることはありませんか?
でも、友人のこととして話してしまえば、意外にどんどん話したり相談したりすることができます。
「友人の話」であれば、深堀りされてもごまかせますし、深刻な話でも雰囲気を重くしすぎずに話すことができます。
打ち解けて仲良くなってから、じつは言いにくかったんだけど……と自分のことだったと打ち明けても盛り上がると思いますよ。
※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。