エネルギー動乱Photo by Masataka Tsuchimoto

かつて月間電力販売量で新電力首位に立ったこともあるものの業績が傾き、2021年に会社更生法を適用された新電力大手F-Power。同社の電力事業は物流不動産大手の日本GLPへ事業譲渡され、傘下の新電力会社FPSの源流となった。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、近年業績を伸ばすFPSのトップに敢行したインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

日本GLPがF-Powerのスポンサーに
傘下のFPSで電力事業を引き継ぎ

――新電力大手F-Powerは2021年に会社更生法の適用を受けました。洞洋平さんは元F-Power代表取締役であり、日本GLP傘下の新電力FPS代表取締役です。

 入社した日本GLPで再生可能エネルギー事業の立ち上げをやっていた頃、昔縁があったF-Powerが会社更生法の適用を受けて売りに出ていました。日本GLPの電力事業立ち上げにとってもいいことだということでスポンサーに名乗りを上げ、事業譲渡で持ってきました。新しいFPSという空の会社をまずつくって、そこにF-Powerの電力ビジネスを引き継いだ形です。

 そのときに全部を移せるわけではないので、一部契約や従業員をスリムにして、引き継がせていただきました。FPSの現社員は70人弱ですが、うち50人ぐらいがF-Powerから引き継いだ方々です。

決算公告によると、21年設立のFPS(当初の社名は汐留エネルギー)は、22年12月期決算で純利益4.4億円、23年12月期決算で純利益24.2億円と、順調に業績を拡大している。電力販売量は最新の24年5月分で新電力26位。楽天エナジーや日本ガス並みの販売量だ。次ページからは洞氏がFPSの強みや目標を語る。