大型重機などをリースで利用するケースも少なくない建設業は、リース会計の新基準適用の影響が大きい業種である。特集『激震!新リース会計 財務悪化リスクランキング』(全9回)の#3では、建設業界で財務悪化リスクの高い企業を独自試算でランキングし、上位8社をお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
一括借り上げの契約が
オペレーティングリース
建設現場で見掛ける重機などは建設会社がリースやレンタルで借りていることが多い。ただ、リース会計の新基準適用で特に影響が大きそうなのは、2028年3月期から資産計上が義務付けられるオペレーティングリースを多く抱えている建設業の会社だ。
アパートやマンションを保有しているオーナーから、その賃貸物件を丸ごと借り上げるといった契約がオペレーティングリースである。
借り上げた会社は、アパートやマンションの維持管理、入居者の募集、家賃の集金などをオーナーに代わって請け負う。オーナーは管理を任せた会社から一定の家賃を受け取る。
こうした形態を一括借り上げといい、その契約はマスターリース契約と呼ばれる。借り上げた会社は、その物件を入居者に再賃貸する。こちらの契約をサブリース契約という。そして、マスターリース契約がオペレーティングリースに該当する。
こうした契約を多く保有している会社のバランスシートは、オペレーティングリースの資産計上を機にどう変わるのか。
現在、決算期末時点で、オペレーティングリース契約に関わる未払いのリース料は、未経過リース料として財務諸表の注記に記載されている。
この未経過リース料の額そのままが資産計上されるわけではないが、未経過リース料を資産として加えることで新リース会計基準適用後の姿を推測することはできる。
次ページでは、独自試算であぶり出した、建設業のうち新基準適用で財務悪化リスクが高い8社のランキングを見ていこう。