不動産オーナーから物件を一括借り上げし、入居者、利用者を募集して、物件の管理を手掛ける業務が主力の不動産会社は多い。これらの会社はオペレーティングリースの資産計上の影響を大きく受ける。特集『激震!新リース会計 財務悪化リスクランキング』(全9回)の#4では、不動産業界で財務悪化リスクの高い企業を独自試算でランキングし、上位26社を掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
不動産業も一括借り上げ
契約が鍵を握る
リース会計の新基準適用は不動産業界にも大きな影響を与えるだろう。
自社で開発した物件を分譲・販売する、あるいは賃貸する、中古の物件を仲介する、オーナーから不動産の管理を受託する。
不動産業の会社のこうした業務のうち、2028年3月期から義務付けられるオペレーティングリースの資産計上の影響が大きいのは不動産の管理を受託する業務に関わる部分である。
本特集の#3『【建設業8社】新リース会計適用で「財務悪化リスク」が高い企業ランキング!6位大和ハウス、1位は?』でも取り上げたように、不動産オーナーからの不動産の一括借り上げ契約がオペレーティングリースに該当するのだ。
不動産の維持管理、入居者の募集、家賃の集金などをオーナーから受託し、オーナーに集めた家賃の一定率を支払うこの業務の比重が高い会社はリースの新会計基準の適用による影響が大きくなり、オペレーティングリースの資産計上を機にバランスシートが変貌する。
現在、決算期末時点で、オペレーティングリース契約に関わる未払いのリース料は未経過リース料期末残高として財務諸表の注記に記載される。未経過リース料を資産として加えることで新リース会計基準適用後の姿を推測することができる。
次ページでは、独自試算であぶり出した、不動産業のうち新基準適用で財務悪化リスクが高い26社のランキングを公開する。