激震!新リース会計 財務悪化リスクランキング#8Photo:JIJI

商品をメーカーから仕入れて小売業者やユーザーに販売するのが卸売業である。会社によって扱う商品は異なる。リースの対象となる物件も違ってくる。特集『激震!新リース会計 財務悪化リスクランキング』(全9回)の#8では、卸売業界で新会計基準の適用による財務悪化リスクの高い企業を独自試算でランキングし、上位11社を掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

リースの対象は扱う商品から
店舗・倉庫まで幅広い

 卸売業と一口に言っても扱う商品や事業展開は多岐にわたる。中には小売店舗を持っている企業もある。リースで調達する対象も幅広い。扱っている商品をリースで借りることもあれば、店舗や倉庫のこともある。

 よって、2028年3月期から義務付けられるオペレーティングリースのバランスシートへの資産計上という会計基準変更への対応も、対象となる物件によって変わってくるだろう。

 現在、決算期末時点で、オペレーティングリース契約に関わる未払いのリース料は未経過リース料期末残高として財務諸表の注記に記載される。未経過リース料を資産として加えることで新リース会計基準適用後の姿を推測することができる。

 次ページでは、独自試算であぶり出した、卸売業のうち新基準適用で財務悪化リスクが高い11社のランキングを公開する。そして、上位の会社ごとの主なリース対象設備を解説する。