聞く側のストレスを極力減らす

 対して、物事を深く考えられる人は、短い言葉にこだわります。それは言葉を発する前に、本質を考えているからです。

 そのため、無駄なことを削ぎ落としつつ大事なことだけを伝えられるのです。

 たとえば、お笑い芸人の紹介文を芸人が自ら考えたとしましょう。

「関西育ちと東京生まれの漫才コンビで、大阪弁と標準語でそれぞれ話すのが特徴の漫才なんです。大阪と東京の組み合わせはあまりいないのでかなり特殊です」と、言われるのと「コテコテ大阪人と東京シティーボーイの超異色な漫才コンビ」と言われるのどちらがわかりやすいでしょうか。

 後者のほうが短くシンプルに理解できますよね。前者は特に口に出してみると思ったよりも長く感じてしまい、ストレスを感じます。

 このようにして、言葉は長ければいいというわけではありません。むしろ、短い言葉まで削り込むことでかえって伝わりやすくなります。

 お笑いコンビ・「矢野・兵動」の兵動くんは話芸のプロですが、トークバラエティに出る際は、エピソードを1文字単位で削っているとのことでした。そうすることで、聞いているお客さんのストレスをなくせる上に、話もシャープになると言っていて、大変驚きました。

 皆さんはそこまでしなくてもいいですが、言葉を短くする意識はぜひ持っていただけると大変嬉しいです。