授業はユルめだが、そもそも学生の意識が高い

 学生の自主性を尊重する昔ながらの大学気質なので、実験などが多い理系を除けば出欠取りもゆるい。試験も毎年同じような傾向で「フツーにやってれば余裕」といったところ。面倒見の良い教授が多く、単位がヤバい学生には救済措置を取ってくれたりする。

 だが、そもそも講義をサボる学生は少なく、みなコツコツと学習している。「複数の科目の教員免許や養護教員、図書館司書など、資格をいくつも無理なく取れる」「試験前はみんなで勉強会を開いたりする。仲間意識や助け合いの精神が強いと思う」「教員を1~2年で辞める人が増えているが、学芸大の出身者ではほとんど聞かない。根がまじめだし、親や友人など周囲に教師が多くて相談しあえるから」などの声も。

 名門大であるだけに進路に悩むことはあまりない。教育系の約6割、支援系の約1割が教員になる。教員採用試験を受ける学芸大生のうち、本採用されるのは5割程度という。落ちたら臨時採用や非常勤で働きながらの浪人生活だが、「ちゃんと勉強すればいつかは受かる」と学芸大の教員志望者は楽観的である。

 支援系は約7割が企業・団体への就職。教育系でも「教員に向かない」と自覚した学生は、一般企業就職へ転向する。また最近は、大学院へ進むケースも増えている。