25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋、再編集してお届けする。(本記事は2025年1月に執筆された『大学図鑑!2026』および2006年1月に執筆された『大学図鑑!2007』をもとにしています)

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愛知県の大学序列は変わった? それとも変わらない?

 27年続く『大学図鑑!』も大学受験のニーズに合わせて掲載大学を変化させてきた。少子化の影響もあり、現在は関東と関西に情報を集中させているが、かつては愛知の大学も少しだけ扱っていた。

 今回は20年前の『大学図鑑!』を参照しながら、この20年で序列の変化があったのか考えてみたい。

 まず、東海圏で圧倒的なブランドと実力を誇るのは、なにを隠そう名古屋大学。もはや語るまでもないが、20年そこらで名古屋大の地位が脅かされることは当然ない。理系を中心に東海圏の大学を牽引。愛知県内のエリートはいまだに県内公立高校から名古屋大に進学するというのが王道。

 20年前の『大学図鑑!』と最新版で名古屋大に関して変わらないのは、その圧倒的ローカル感。

 名古屋から新幹線に乗って東京に来れば、名古屋大の知名度はそこそこ。もちろん旧帝大のひとつであり、讃えられるには讃えられる。それは間違いない。

 しかし、就職では要領のいい早慶生に負けてしまうなんてこともなくはない。要するに超優秀な大学の“ひとつ”というのが東京での評価。

 でも、地元では違う。名古屋大こそが至高なのである。東大がどうだ、京大がどうだなど関係ない。偏差値という枠を超えて名古屋大が一番いいという雰囲気がある。これは地元愛が非常に強い名古屋ならではだろう。同じ旧帝大でも東北大などはここまでのローカル感はない。

 地元密着であり、レベルも高いという魅力は名古屋大ならではなのではないだろうか。

 なお、県外から名古屋大に進学した学生がまず最初に驚くのは「名古屋駅」の呼び方。愛知県の人は名古屋駅のことを「名駅(メイエキ)」と呼ぶ。

 最初は「は? どこの駅?」となるが、やがて慣れる。加えて名古屋駅を「名駅」と呼べたときに、県外生は自分が馴染めたと感じる。

 同じく名古屋大のことも愛知の人は「名大(メイダイ)」と呼ぶ。関東では明治大が明大(メイダイ)なだけに戸惑うが、そんなことは関係ない。

 なお、20年前の『大学図鑑!』でインタビューを行った名古屋大生(当時)のコメントは下記。

名古屋大生に聞いた「本音で一言!」※いずれも20年前のもの

「外から見ればダサい大学だけど、見せかけだけのチャラチャラしている大学とは中身の濃さが違います」(農学部生)

「全国的な真のエリートを目指すなら名大じゃないほうがいい。でも名大だと愛知ではかなりのエリートになれる」(経済学部)

「東京から来ると馴染むのに時間がかかる。思ったより名古屋には独特の文化が多い」(教育学部)

「結構閉鎖的。名大生で群れずに外にも友達をつくらないと考えが偏る」(法学部)