「配当株投資として長期投資をしていると、時に株価が大きく下がる局面に遭遇します。そのときに一段ギアを上げて買うことを意識すれば、配当金ダルマの恩恵を受けることができます。ただし、どんな株でもいいわけではなく、業績が堅調で株主還元も積極的な企業の株を選ぶことが大事です」

 そのためにも業績の見極めがポイントになってくる。今回のように株価が下落したとき、業績悪化が下落の原因でなければ買い増しの対象になるそうだが、業績がよくても元々PER株価収益率:株の割高感を示す)が高かった銘柄はその対象にはならないようだ。

「大前提として業種によって適正なPERは異なります。一概に言えませんが、日経平均PERに対して、大きく上回っている銘柄は割高だと判断します。期待値で株価が上昇している分、その期待が剥落すると株価は大きく下落します」

「その企業が自社株買いを積極的に行っているのかも一つの指標にしています。自社株買いを実施すれば、その分、株式価値が高まります。仮に純利益が同じでも一株益が増加します。結果、配当性向が同水準でも増配が可能になるのです」(配当太郎さん)

 自社株買いとは、自社株を買い戻すことで発行済み株式数(自社株買いを除く)が減り、1株あたりの純利益が高まる。株主への利益還元、株価の上昇を促す方法で、多くの企業が行っている手法でもある。

「本決算や中間決算の発表と同時に企業はリリースを出す傾向が高いので、それらの情報も逐一チェックすることをお勧めしています。今年5月、三菱UFJフィナンシャル・グループが決算発表と同時に自社株買いを発表したとともに、株価が大幅に値下がりしましたが、買い増しの対象にしました。配当株投資は目先の株価の乱高下にとらわれない辛抱強さを持ち合わせることが大切です」(配当太郎さん)