人はかよわき存在でありながらも、思考をする偉大さを備えているということ。その思考を捨ててしまうのであれば、もはや1本の弱々しい植物に過ぎません。

 一般に、地頭がいいと言われる人は文章もそれなりに上手です。博物学者のジョルジュ・ルイ・ルクレール・ビュフォンは、文章にはその人の人格が表れるという趣旨の言葉を残しています。

 これが俗に「文は人なり」の格言として世に広まっています。

 頭がいい人がなぜ文章もうまいのか。それは1つには構成力があるからです。

 目の前にまっさらな原稿用紙を置かれて「さぁ、日本の少子化について思うことを30分で書きなさい」と言われたら、これまで少子化について多少なりとも考えてきたこと、実際に経験してきたこと、不思議に思ってきたことなどの情報を、制限時間の中で構築し、文字化する作業を強いられることになります。

 その際、少子化問題について日頃から専門的に学んでいればかなり有利ですが、必ずしも特化した知識がなくても、自分なりに得てきた情報を再構成し、読みやすく組み立てて書くのが文章力というものです。