それが伺えるのが、この時期にメディアが行う「選挙予測」だ。50議席減、53議席減という深刻な予測が並ぶなかで、「週刊新潮」は最悪の想定で80議席減もあり得るという専門家の見立てを掲載している。

 自公で過半数割れをすれば、どこかと連立を組むしかないわけだが、その調整がうまくいかない場合、来年の参院選前に「選挙の顔」をすげかえようという動きが起きる。「石破おろし」だ。つまり、今のままでは、麻生氏が高市氏に言ったという「石破政権は1年よりももっと短い」が現実となってしまう可能性があるのだ。

 そう聞くと、「自業自得だ。過半数割れでもしてさっさと退陣して高市さんのようにリーダーシップのある人に任せたほうがいい」という人も多いだろう。気の早いメディアは「ポスト石破」として、高市早苗氏の名を挙げ始めている。

 ただ、個人的には石破氏を引きずり下ろして、高市氏が首相の座に就いたところで「何も変わらない」と思っている。

 高市氏も石破首相同様に「首相になる前に言っていたことと話が違うじゃないか!」と批判されるだろうし、反対派による足の引っ張り合いもおこなわれるはずだ。しかも、変わらないならまだマシで、日本経済が大きく冷え込んでしまう恐れもあるのだ。

 なぜそんなことが言えるのかというと、「歴史」の教訓だ。