腎不全の早期に起こる「尿の異常」とは?

「もしかして腎不全かも…」尿の回数と量にあらわれる「危険な兆候」とは?【専門医が解説】櫻井健治 橋本クリニック院長

「中高年で特に気をつけたいのは腎不全です。腎不全に至る最も多い原因は糖尿病の合併症である糖尿病性腎症です。人工透析を受けることになった人のうち、この糖尿病性腎症が原因の人の割合は約4割を占めています」

 糖尿病のうちI型は免疫異常などが原因の先天性のものだが、II型は食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の悪化などによって摂取エネルギー量が過多となり、インスリンの分泌量が間に合わないことによって起こるものだ。

 そのほか、腎不全になる原因としては、腎硬化症という動脈硬化によるものもある。腎臓へと流れる動脈が硬化すると発生するもので、これも生活習慣の悪化が主な原因だ。

 腎不全は、血液をろ過する糸球体の網の目が詰まってしまい、十分に機能しなくなった状態のことをいう。

 腎不全の早期には、頻尿になる(1日10回以上トイレに行く)、量が見た目でわかるほど多くなる、褐色になるといった尿の異常のほかにも、貧血やむくみ、動悸、息切れ、発熱などの症状、および尿量の減少が腎不全の進行とともにあらわれる。

 回数や量については個人差もあるので「いつもと違う」と異変を感じたら受診しよう。