次の3つのうち、いい質問はどれ?
ではここで質問です。あなたが営業マンとして働いていて、本部が「新しく営業してほしい商品」の説明にきたことを想定してみてください。Aさん、Bさん、Cさんの質問をそれぞれ何が良くて何が悪いのか考えてみてください。
Bさん:「この新商品が売れるとは思えない。別のコンセプトで作り直してみてはどうか」
Cさん:「この商品の今年度の販売目標、それと目標を達成した時にもたらす社会的なインパクトについて教えてください」
まずはAさんの質問はいかがでしょうか。これこそ、大人数の会議ですべき発言ではないですよね。調べれば分かりますし、場合によっては自分だけしか分かっていないということが露呈する残念な質問です。これは「問題外の質問」ですね。
次に、Bさんの質問はどうでしょうか。これはもはや質問というか文句になっていますよね。この質問によって本当に商品がもう一度作り替えになるくらいの発言力を持った方であればいいかも知れませんがそういう人はこのような大人数の場でこの様な質問はしません。
聞き方ひとつで、周りの「見る目」がガラリと変わる
では最後に、Cさんについて見てみましょう。Cさんの質問は、「どれぐらい売りたいと思っているのか」「どういうマーケットに浸透させようとして開発された商品か」を確認しています。また、そのイメージする社会像に説得性があれば、他の聞き手の営業マンたちも納得してより力を入れて営業していこうと考えるはずです。
実は、逆にCさんの真意は、Bさんの意見に近い可能性もあります。Cさんは内心否定的に考えていたとしても、このような言い方をすることで回答者と参加者への配慮をしているのです。Bさんの言い方だと文句にしか聞こえませんが、Cさんのような言い方なら「会社のことやプロジェクト全体のことを考えている」ことが前向きに伝わりますよね。
以上のように、大人数の場で質問をする時は、ただ自分が聞きたいことを聞くのではなく、回答者側が聞いてほしいと考えているか、他の聞き手にも共感ができるものなのかを意識して見ることが重要です。みなさんもAさんのような「問題外の質問」、Bさんのような「損する質問」になっていないか注意してみてください。
たとえ真意が同じ質問であっても、聞き方をアレンジすれば自分の評価を高めることにも繋がります。ぜひ、臆せず大人数の会議で質問・発言することにチャレンジしてみてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)