私立の中高一貫校に親が期待することの1つが「グローバル教育」だ。しかし、その質は玉石混交なのが現状で、「グローバル教育」を標榜しながら実態を伴わない学校も少なくないという。国際社会で活躍する子が育つ「学校選びのポイント」と「オススメの学校」を紹介する。(聞き手・構成/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
“没落する日本”に不安な親が
中学受験に期待すること
――最近では国際教育を強く打ち出す学校が増えてきた印象があります。その背景を教えてください。
日本で最も深刻な社会問題の1つは生産年齢人口の減少です。消費能力の高い世代が減少して市場が縮小するわけですから、企業は国内市場だけでは存続できなくなります。当然、海外に出る――。保護者が勤め先で日々実感していることだと思います。
親が学校に期待することは、子どもをいい大学に入れることよりも、厳しくなる社会で生き延びていける人間に育てることに変わってきたということです。
このような保護者のニーズを受けて「グローバル社会のリーダー育成」を掲げる学校が、多くなりました。ところが、実態が伴わず、定型文のように使っているだけという学校もあります。
――ほぼ全ての学校が海外研修を実施していますし、留学制度が整っている学校もたくさんあります。最近は海外大学のキャンパスを訪れ、生徒に刺激を与えている学校も目立ちます。
いくつか例を挙げてみます。
例えば、八雲学園は※UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)での、昭和学院秀英もカリフォルニア大学イーストベイ校での研修があります。恵泉女学園はシンガポール国立大学&付属高校との交流を始めました。