東京国税局→ベストセラー作家に転身した男が教える「独立しても仕事が途絶えない人の共通点」写真はイメージです Photo:PIXTA

「30歳過ぎた未経験者が食べていけるほどフリーランスは甘くない」。そんな言葉を背に受けながら、安定した東京国税局の職を辞してライターとして独立した、小林義崇氏。当初は収入が半減し孤独感にも苛まされたが、今は引く手あまたのフリーライターとなっている。フリーランスとして仕事を得るための方法や心構えとは。※本稿は、小林義崇『新しいフリーランスの歩き方』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

「自分の売り」を打ち出し
客に自分を見つけてもらう

 フリーランスが仕事を獲得するうえで、営業をするのもひとつの方法です。

 もしもあなたが積極的に見込み客に働きかけて、ニーズを探り出し、「仕事をください」と言える人なら、安定的に収入を得られると思います。

 でも、僕自身は営業をすることが苦手です。公務員の頃は「仕事は上から与えられるもの」という環境だったこともあり、営業のやり方がわからずに独立してしまいました。そして今も、営業らしい営業はしていません。

 フリーランスの仕事の取り方は色々で、僕の周りにも営業をガンガンやる人もいれば、営業は一切やらないという人もいます。僕としては、やれる人はやったほうがいいと思っていますが、営業が苦手なら別のやり方を考えなくてはいけません。何もしなければ仕事がなくなってしまいますので。

 営業手法には「アウトバウンド営業」と「インバウンド営業」という2つのタイプがあります。

 アウトバウンド営業は、自ら見込み客に売り込む営業で、まったく接点のない状態からアプローチするのが特徴です。テレアポや飛び込みなどに代表される方法ですね。

 一方、インバウンド営業は、見込み客に自分を見つけてもらうのを待つ営業スタイルです。自分に興味をもってもらえるようなアピールをして、受注につなげます。

 おそらく「営業が苦手」と感じている人は、アウトバウンド営業をイメージしているのではないでしょうか。ライターであれば、いきなり出版社やメディアのオフィスを訪ねたり、電話をかけたりして、企画を売り込むような方法がアウトバウンド営業ですが、こうした方法に抵抗感がある人は少なくないと思います。

分かりやすい強みがあれば
仕事が途絶えることはない

 フリーランスの世界では「仕事の紹介を受ける」ことがよくあります。

 僕が独立当初に受けていた仕事のおそらく9割以上は紹介ベースです。上阪徹さんのブックライター塾で得たつながりによって、塾で一緒に学んだ仲間や、懇親会でつながった編集者さんなどから多くの仕事を紹介してもらいました。

 逆に僕から仕事を紹介することもあります。付き合いのある編集者さんから、「いいライターさんがいたら紹介してください」と言われることが多く、ご要望に合いそうな人を紹介してきました。