「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。
高齢者は「心の準備」に時間がかかる
実家片づけは、事前の準備が非常に大事です。
遠方の場合は時間とお金をかけて行くことになります。無駄を省き、なるべくスムーズに進めるためにしっかり準備しておかなければなりません。
まずは、親に「今度帰省するときに、一緒に家を片づけない?」と提案してみてください。どういう反応かはともかく、こちらが「実家片づけをしたいと思っている」という、帰省の目的をしっかり伝えることが大切です。
事前に言わずに帰省してから突然言うと、「こっちはごちそうを用意して楽しみに待っていたのに、一体なんなの?」と、怪訝(けげん)に思われてしまいます。
また、高齢者は心の準備ができていないことには即座に対応しにくいので「急にそんなこと言われても無理」と拒否されかねません。
相手に考える時間を与えるためにも、事前に目的を伝えておきましょう。
親族に根回ししておかないと、疑いの目を向けられることも
さらに、もう一つ大事なのが、親族への根回しです。後々のトラブルを防ぐためにこれはマスト。
もし、自分の実家に兄夫婦が乗り込んできて、家の中をひっかき回していったと、後から聞かされたら、どう思いますか? しかも「資産を把握したいから、大事な紙を出して」「この宝石は本物ですか?」など、金目の紙やモノを掘り出して、選別していったと聞いたら……。
「金目のモノを根こそぎ持っていこうとしているのかもしれない!」と、モヤモヤ・イライラするのではないでしょうか。
そんな不要な疑心暗鬼をなくすために行うのが親族への事前の根回しです。
実際に、実家片づけをする前に、相続人となる人たち(主にきょうだい、詳しくはP216参照)に、「近々、実家を片づけるつもりです。その際に、資産状況も確認してきます。また報告するのでよろしくね」などと、宣言しておきましょう。
可能であれば、LINEグループを作ってチームで進められるといいですね。
「お兄ちゃんのモノは和室にまとめておいたから、今度帰省したときに片づけておいてね」という具合です。
実家片づけを宣言すると、反対したり、無視したりする親族もいます。でもそういう人のことは気にしなくて大丈夫。実家片づけは、明らかにやっておいたほうが、親子双方にとってよいことなのですから、信念に基づいて決行しましょう。
ここでのポイントは、事前に宣言しておくことで、後々文句を言わせないアリバイ作りをしておくことです。宣言さえしておけば、後で何か言われても「やるって知らせたよね?」と、相手を黙らせやすくなります。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。