ビットコインをはじめとする暗号資産の価格が高騰している。現物ETF(上場投資信託)承認、トランプ氏の米大統領選挙での勝利などこれまでの上昇要因を振り返りつつ、今後の価格動向を予測してみた。(ピクテ・ジャパン シニア・フェロー 大槻奈那)
トランプ氏当選で11月以降の
上昇率は30%超え
トランプ氏の大統領選挙勝利を受け、暗号資産の価格が急騰している。足元では調整の動きも見えるが、11月以降の上昇率は30%を超え、時価総額は一時500兆円を超えた。
暗号資産はその誕生から約15年で、歴史ある銀(シルバー)の時価総額約270兆円を超え、金(ゴールド)の時価総額約2700兆円の6分の1に達した。今や、取引所で売買されるコインの数は240万種類を超えた。暗号資産が日本でも本格的に取引され始めた2017年以降、毎年2.9倍ずつ膨張してきた計算だ。
過去2年ほどは、大手暗号資産業者FTXの破綻等もあり、おとなしかった暗号資産市場だが、今年に入ってから、ビットコインは約150%上昇した(下図参照)。
この上昇要因は、11月の大統領選挙までとその後とに分けることができる。
上昇要因を検証しつつ、今後も騰勢は続くのか。次ページではさまざまな角度から検証してみた。