トランプ第2期政権は「強い政権」
中間選挙までは大胆な政策が可能な環境
大統領選挙での完勝の後、トランプ次期大統領は矢継ぎ早に次期政権の閣僚人事を固め、11月25日には、カナダ、メキシコへの25%関税や中国への10%追加関税実施をSNSで表明するなど、来年1月の就任を前に動き出している。
過激な大統領選挙の公約や選挙中の発言は物議を醸すものが多く、国際秩序や経済への影響が懸念されているが、選挙結果が出た以上、トランプ第2期政権で打ち出されるさまざまな政策に各国は対処する必要がある。
まず大前提として、この政権は「強い」ということを押さえる必要がある。接戦州の全てをトランプ氏が押さえ、全米の得票数でも民主党のハリス氏を上回った。共和党候補が得票数で民主党候補を上回ったのは2004年のブッシュ(子)対ケリー以来20年振りとなる。大きな支持のシフトが起こったといわざるを得ない。
第2に、三権全てが保守優位となっことも盤石な体制といえる。議会選挙では上院は53対47、下院は220対213と両方とも共和党が過半数を押さえた。また、そもそも最高裁判所判事は6対3で保守優位だ。この政権は、少なくとも中間選挙までの2年間は思ったことを実行しやすい環境にある。
閣僚人事でトランプ氏への忠誠心の厚い人物や選挙戦を支えた側近らが重用されたことも強さの表れであり、経済政策でも「トランプ色」が色濃く出されるとみていいだろう。
だが「トランプノミクス2.0」の成否はまた別の要因が鍵になる。