政府はなぜ脱却宣言をしないのか
総合経済政策の書きぶりはデフレ脱却!?
物価高対策などを盛り込んだ総合経済対策の財源の裏付けとなる2024年度補正予算案が
12月17日、参院で可決され、成立した。
経済対策の事業規模は39兆円、国の一般会計支出13.9兆円に上り、岸田前政権が昨年11月に打ち出した経済対策の規模を上回るものだ。
対策では、日本経済の現状について「長きにわたったコストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、『賃上げと投資が牽引する成長型経済』に移行できるかどうかの分岐点にある」と評価し、「その移行を確実なものとすることを目指す」とうたっている。
この書きぶりからすると、日本経済はすでにデフレから脱却していると政府は考えているように見える。この点、前政権が打ち出した昨年11月の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」から大きな進歩だが、それにしてもなぜ政府はいまだにデフレ脱却を明言しないのだろうか。
直近公表の10月の消費者物価指数(生鮮品を除く総合)は前年同期比2.3%増と、すでに3年半にわたって2%物価目標を超えている。
一つの指標が足かせとなっている可能性がある。GDPギャップだ。