第2回コラムでは、“若者たちの就業状況と生活満足度”を切り口として、彼らが消費に求めているニーズを深堀りした。そして、彼らの消費ニーズは「実感できる価値」だとして、「ゲーミフィケーション」による彼らへのアプローチについて取り上げた。ゆとり世代コラムの最終回となる今回は、彼らのインターネットを通じた慈善活動から、ゆとり世代の口コミ事情を明らかにしていく。mifから見ることができる彼らの特徴は“共感を元にした口コミ”を重視する姿である。

デジタル世代の
インターネットを使った慈善活動

 ゆとり世代は、教育課程でのボランティア教育が本格化された世代である。

 彼らの社会への貢献意識は高い。図表1は内閣府が実施している「社会意識に関する世論調査」の結果である。20代における「何か社会の役に立ちたい」と思う人の割合は、1990年から2005年まで5割前後で推移していたが、2006年以降の近年では増加傾向が見られる。ボランティア教育の導入によって、若者の社会貢献意識が高まり、これがゆとり世代にも継承・定着してきている。

 mifでも他世代に比べて慈善意識が高いゆとり世代の姿が見えてくる。「周囲の人を助けたい、面倒をみたい」、「他人が必要としていることに対応したい」に「とてもそう思う」と回答する割合が最も高く、かつ非就業者を対象とした「今後、社会貢献できる仕事をする」といった設問でも、「そうしたい」との回答が全世代で最も高い値を示している。