タクシーアプリ「GO」中島社長が語った「メディアへの“圧力”騒動」と、ライドシェア事業の今後GO社長の中島宏氏 Photo by Yuhei Iwamoto

タクシー・ライドシェアアプリを展開するGOが、「自社の広告を継続する条件として、ライドシェアに関する記事を削除するよう求めた」と報じられたことで釈明のプレスリリースを出した。その背景について、GOの中島社長が語った。(ダイヤモンド・オンライン 編集委員 岩本有平)

 本日一部報道において、当社が広告継続の条件にライドシェア記事の削除を要請しているとの報道がなされております。

 当社として、直接・間接に特定のメディアに対して恣意性を持って、報道記事の掲載中止や削除等を要請している事実はございませんのでお知らせいたします。

 タクシー・ライドシェアアプリ「GO」を展開するGOが、こんなプレスリリースを発表したのは11月20日の夕方のことだった。

 プレスリリースでは具体的な報道等には触れられていない。だがSNSでは同日朝から「GOが自社の広告を継続する条件として、ライドシェアに関する記事を削除するよう求めた」という一部報道が話題になっており、その内容に対する釈明だということは明らかだった。

 欧米が先行し、日本でも2024年4月からスタートしたライドシェア。本来は一般ドライバーが自家用車で乗客を有償で運ぶというものだが、日本ではタクシー業界からの反発も強く、現状は国土交通省から許可されたタクシー会社が運行管理するという、限定的な解禁にとどまっているのが実情だ。

 GOは日本交通の創業家三代目で、「タクシー王子」とも呼ばれる川鍋一朗氏(日本交通取締役、全国ハイヤー・タクシー連合会会長)が代表取締役会長を務める企業。そんな背景もあってか、SNSでは「ライドシェア全面解禁派への圧力ではないのか」という議論に発展。政府の規制改革推進会議で委員としてライドシェアの解禁を訴えてきたLINEヤフー会長の川邊健太郎氏も参戦し、「広告費の圧力で人々の移動の選択肢を封じているという事ですから、再発防止策をしっかりとお願いしたい」とSNSで言及するに至った。

 この状況に対して、GO社長の中島宏氏は騒動の発端については「GOの責任である」と反省の弁を語る一方、ライドシェア全面解禁派に対する「圧力」であることを強く否定する。

 プレスリリースだけでは見えなかった騒動の“内幕”から、GOのライドシェアへの向き合い方、会長・川鍋氏との立ち位置の違いなどを中島氏に聞いた。