尹大統領弾劾で韓国政情不安
アサド政権崩壊で中東は戦火拡大!?
混乱の2024年を象徴するように、12月に入って韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、支持率低下や攻勢を強める野党との対立などから「非常戒厳」を宣布して打開をもくろんだが失敗、14日に議会で弾劾決議を受け大統領職を停止される事態に陥った。
内乱罪での尹大統領の逮捕の可能性がいわれるなか、今後の憲法裁判所での弾劾判断の動向や党内対立から韓東勲代表が辞任に追い込まれた与党の混乱などで、政情は一気に不安定化している。
一方中東では、半世紀にわたり父子二代で独裁政治を続けてきたシリア・アサド政権が8日に崩壊。だが 反政府勢力はイスラム原理主義を唱える過激組織もいて一枚岩ではなく、 どのような組織が統治をするのか見えない状況だ。
混乱の中、長年、対立をしてきたイスラエルの軍がシリア領内に入ったとも報じられ、一方で後ろ盾になって軍事支援をしてきたロシアやイランなどの外交・軍事戦略にも影響が及ぶことになりそうだ。
レバノンの反イスラエル組織、ヒズボラとの連携など、シリアを通じた中東への影響力低下だけでなく、とりわけロシアの場合は、シリアの地中海沿岸地域に海軍と空軍の基地を置いており、シリアの政情不安定はウクライナへの戦力投入にも影響が出るといわれている。
反政府組織内や中東での主導権を巡る争いから、2025年以降、中東では戦火がさらに拡大する懸念があるが、中東や朝鮮半島のほかにも対立の火の粉はある。
日本は、25年には六つの重大な地政学リスクがあることに注意が必要だ。