そうですよね。僕、気持ちを切り替えるのがものすごく下手なんですよ。もうちょっとうまく適応できてもいいんじゃないかと自分でも思っていました。プライドがいくつも折れて捨てられたら柔軟になってくるかな……と思いながら日々あがいてた印象があるんですよね。
それで、働くうちにちょっとは丸くなっていったというか、できることも少しずつ増えていきました。相変わらずポンコツではありましたが。
でも口癖がずっと「会社辞めたい」になってた時期は、やっぱりありました。
そんな状況はやっぱり普通じゃないと思って、もう新しい環境に飛び込んじゃえ、って感じだったんです。自分の中で限界がきたなって思ったら、そのタイミングで転職に向けて動き出すのがいい気がします。
ただ、相談された時にはどの人にも必ず、「次が決まるまで辞めるな」とは言ってますけどね。
――なぜ、「次が決まるまで辞めるな」なのでしょうか?
「期限を決めて休む」は
難しいこと
僕は「キャリアにおいてブランクは怖い」と、まだ思ってる世代なんです。
一度仕事を辞めて働かない時期が長くなると、再び働く気力がどんどん衰えていくというか、「ちょっと実家帰って2カ月間だけゆっくり考えてみようと思います」って言った人がそのまま2年も何もせずに過ごしていた、とかよくある話だと思っていて。
自分で期限を決めて休むって、結構難しいと思うんですよ。
誰かに決めてもらわないと、いつまでも先延ばしにできちゃうので。僕の原稿もそうですけど、もしも締切がなくて「そのうち書きましょう」なんて言われてると、いつまでも「そのうち」が来ないままでいられちゃうんです。それと同じ感覚で、次を決めないで辞めるというのはなんとなく怖いことだと思っています。
だから「次の仕事は休みながら探します」と言われると「もうちょっと頑張ってみて、今の職場にいるうちにある程度方向性だけでも決めてみたら?」と言うようにはしてます。
もちろん、先ほども言ったとおり、心や体を壊して休む場合は、後先なんか考えずにまずは回復に徹するべきだという前提があることは言うまでもないですが。