政府公募の洋上風力発電プロジェクトコンペ「第3ラウンド」の2プロジェクトの選定結果が12月24日にも公表される。青森県沖は3陣営、山形県沖は4陣営が応札し、しのぎを削った。特集『洋上風力クライシス』の#2では、業界関係者への徹底取材を基に、勝敗の行方を大胆に予想する。三井不動産、丸紅、東急不動産……勝者は?(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
三菱商事、RWEなど大物が撤退
実力拮抗の第3ラウンド
政府公募の洋上風力発電プロジェクトコンペ「第3ラウンド」の選定結果が12月24日にも公表される。当初は混戦が予想された第3ラウンドは、土壇場で入札を見送る事業者が相次いだ。
先行事業者の一つだった石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングスの子会社であるコスモエコパワーは、昨今の資材高や労務費の高騰などを考慮し、仮に第3ラウンドを勝ち抜いたとしても採算が厳しいとして入札を見送った。
また、コンペ“2勝目”を狙っていた三菱商事やドイツのエネルギー大手、RWEが完全撤退。国内最大の発電事業者であるJERAと住友商事は2エリアとも応札する予定だったが、JERAは山形県沖、住友商事は青森県沖で入札を見送った。いずれの事業者も、これまでのコンペで勝ち取ったプロジェクトの進捗が思わしくなく、既存プロジェクトへのリソース投入を優先したためだ。
大物プレーヤーが相次いで撤退したことにより、第3ラウンドは拮抗した戦いになった。
次ページでは、第3ラウンドに応札した7陣営の顔触れと、勝敗予想を大公開する。果たして第3ラウンドを制するのは、どのプレーヤーか。