私は毎週のように様々な学校を訪問していますが、それとは逆に代々木(※SAPIX小学部を運営する(株)日本入試センターがある場所)にわざわざお越しになる先生もいらっしゃいます。

 代々木から遠く離れているにもかかわらず、毎年、必ず来てくださる学校の先生もいます。お見えになった先生方は、「今度、こういうことをやりますから」などと熱心にお話しくださいます。いろいろと教えていただく内に興味を持ち、実際に学校へ行ってみることもありますし、そういった面白いお話を、いろいろなところで取り上げるようにしています。

――噂では、塾が学校を育てるって話も聞いたことがありますが、そんなことがあるんでしょうか?

 そのようなことはありませんが、結果的に他の塾と比較してSAPIXの生徒が多く進学している学校はあります。例えば広尾学園は第1期生からSAPIXの子が多い。三田国際開智日本橋広尾学園小石川もそうです。

 おそらく、渋渋(※渋谷教育学園渋谷)や広尾学園※などの学校は、SAPIXとも考え方が似通う部分があり、結果的に両校のような教育理念※を好ましく思う保護者が多いということなのかもしれません。

渋谷教育学園渋谷…「いろいろな能力のある子どもたちを広く集め、21世紀の国際社会で必要とされる資質を持った人間を育てる」という目標を掲げ1996年に開校。教育理念は自分で調べ、自分で考えるという意味の「自調自考」。
広尾学園…「新しい時代に活躍できる人材の育成を目指す」という目標を掲げ2007年に改称し共学化。教育理念は「自律と共生」。

 共に、独自の教育改革を行い、中学受験生の保護者から支持を集めている難関校です。

――ただ、学校説明会は通常2時間程度ですよね。それに参加しただけで、学校のエネルギーを感じられたらいいのですが…。しかも、学校があり過ぎて、どこの説明会に行けばいいのかを迷う保護者の方もたくさんおられます。