モチベーションを支える
教育環境が若手社員の評価に
中途入社者による「20代成長環境」と「人事評価の適正感」の評価を集計した今回のランキングでは、トップ10にコンサルティング会社6社がランクイン。さらに、1位マッキンゼー・アンド・カンパニー、2位ローランド・ベルガー、3位A.T.カーニーで、コンサルティング会社がトップ3を独占した。
では、実際にランクインした企業のクチコミを見てみよう。
「人の成長にかなり注力している会社。定期的に実施されるグローバル研修、日本支社独自のコンサルスキル研修、プロジェクトメンバーが相互に成長に向けたフィードバックをし合う仕組み等、よくできた仕組み・豊富なリソースを投入しており、結果としてコンサルタントの成長スピードは早い。特に若手に関して」(コンサルタント、マッキンゼー・アンド・カンパニー)
「新卒であろうと中途であろうと1年目から重要なロールを任されることが多いので、成長速度はかなり高いと思う。また『上から指示を出して若手はその通りの動く』という文化ではなく、『自分でまず考えてから、上にぶつけてみる』文化が強い」(コンサルタント、ローランド・ベルガー)
近年、就活生からも志望先として注目を集めているコンサルティング会社だが、中途入社の社員によるクチコミでは、さまざまな研修プログラムが提供されている点が挙げられている。
特に、若手社員のモチベーションを支える教育環境を高く評価する声が多く寄せられた。
評価を分けるポイントは
「やりたいことができるか」
コンサルティング会社に並び、多くランクインしたのはシステム開発関連会社で、トップ20のうち7社を占めた。
では、その理由についてクチコミから見てみよう。
「若手でも手を挙げれば、非常に大きな裁量が渡される。1年目でプロジェクトのPMをやることも全然ありえる。やる気があれば、どんどん仕事は任せられ、成果を出せば、どんどん昇進できる。実力主義で、年功序列はない。上の職級の人と1対1の面談は毎月数回設けられており、キャリアについては都度その場で相談できる。基本やりたいことをやらせてくれる」(ITコンサルタント、シンプレクス)
「手を挙げた人に任せる文化がある。年に2回の上長との面談を通して、どんな技術や案件フェーズ、業界に携わりたいのか希望を伝えることができる。その希望に極力沿った仕事ができるように現プロジェクト以外も含めて取り計らってくれる。企業全体としてこの文化が根付いている」(シニアコンサルタント、フューチャー)
社員のクチコミを確認すると、自身の希望に沿ったプロジェクトや業務に携われること、またキャリアパスを相談できる場があることが、成長を後押しする要因となっていることがうかがえる。
一般的に、「仕事内容への満足度」は転職理由の上位に挙げられるが、転職後に「やりたいことができるかどうか」も評価を分ける重要なポイントのようだ。