絶好調の「日工大駒場」「佼成学園」「駒込」

 偏差値40台前半であるFランクには、2025年も盛況な首都圏中学受験熱を最も享受している学校が目に付く。1日午前には25校もの入試回がある。志望者数が100人以上は3校、受験者数が100人以上は12校あり、Eランクよりも分散している傾向がうかがえる。そのうち男子校は佼成学園と京華の2校だけである。

 まずは、志望者数合計が100人を超える3校から見てみよう。同様に男子校から共学化した安田学園の成功パターンを忠実になぞって人気化している日本工業大学駒場は、[1回]が12月に2倍弱増まで人気が高まり絶好調。24年に198人が受験して2.18倍(23年1.85倍、22年1.44倍)と上げ潮に乗り、25年は3倍乗せの勢いである。

 残る2校はGランクからランクアップした。24年に182人が受けて3.43倍(23年2.38倍、22年2.94倍)の東京電機大学[1回]は、高倍率が敬遠されてか、10月2割減、11月2割半減だったが、12月には1割強減まで戻した。25年も3倍台を維持しそうだ。

 175人が受けて1.97倍(23年2.09倍、22年2.83倍)と、他の日本大学系列校と同じく緩和の波に乗っている日本大学第二[1回]は、10月の2割半減から12月には3割弱減まで落ち込んでおり、25年は1倍台半ば程度まで緩和する可能性が出ている。受けやすくて受かりやすい狙い目の筆頭的存在といえそうだ。

 次に、明暗を分ける男子校を見てみよう。一般とグローバルという二つの入試区分がある佼成学園[1回]は、24年に160人が受けて3.08倍(23年2.34倍、22年2.3倍)だった。一般の志望者数は10月の5割増から11月に3割増、12月には2割弱増と緩んできたものの、グローバル区分の人気が高まっていることもあり、25年は3倍台半ばに向け倍率を増しそうな情勢にある。一方、京華にも[1回特別選抜午前][適性検査型特別選抜]という二つの入試区分があるものの、24年受験者数と実倍率は14人と2.8倍、17人と1.42倍と少ない。前者は2割減で、25年には2倍台前半まで緩和する可能性が出てきた。

 二つの入試区分を合わせると、24年に300人が受験した聖徳学園は、Fランクで最も人気のある学校だ。234人が受験した[適性検査型]は1.03倍と実に受かりやすい。66人が受けて2.44倍(23年1.33倍、22年1.2倍)と人気急上昇の[プライマリー]は12月に3割半増となっており、25年は3倍乗せをうかがう展開となりそうだ。

 続いて、234人が受けた駒込[1回]も実倍率が2.96倍(23年2.5倍、22年1.77倍)と年々人気が高まっている。12月も6割増と人気が上がっており、25年の3倍乗せは当然として、4倍や5倍乗せの可能性まで出ている。八王子学園八王子[2月1日午前東大・医進クラス]は、24年に168人が受けて1.46倍(23年1.29倍、22年1.19倍)と、受けやすくて受かりやすい状態が続いている。志望者数がとても少ないものの、12月は2.6倍増まで高まっており、25年は1割台後半を目指すことになりそうだ。

 二つの入試区分を合わせると、24年に199人が受験した順天堂大学系属理数インター[1回(特待選抜)]。154人が受けて1.4倍の[適性検査]は3日の都立中高一貫校受検生に人気がある。45人が受けて1.22倍(23年1.16倍、22年2.41倍)の[2科・4科選択型]は、志望者数は少ないものの増加基調だったが、12月には3割半減と大きく落ち込んでおり、25年もかなり受けやすくて受かりやすい状況が続きそうだ。