「例えば、35歳で年収800万円の会社員が5000万円を返済期間35年で借り入れたとして、変動金利が0.5%のときとその後、金利が上がったとして1.25%になった時を比較すると、0.5%では毎月の返済額が13万円、これに対して1.25%に金利が上昇した時の返済額は14万7000円になる。総支払額は700万円もの差がつきます」

 物価や水道光熱費が上昇して家計が逼迫しているところに、住宅ローンの上昇分が重くのしかかる……。まだ、子どもの教育費がかかる世代にとっては死活問題だ。金利が上がる度に不安になり、ストレスを感じるようであれば、今のうちに固定金利に借り換えたほうがいいかもしれません。しかし、固定金利への借り換えは大きな損失を生む可能性が高いことは先程説明した通りだ。

 金利上昇時代に住宅ローンの借り換え以外の選択肢は何があるのか。後編で解説してもらった。

千日太郎(せんにち・たろう)
オフィス千日合同会社代表社員、公認会計士。「千日ブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」、YouTube「千日太郎 公認会計士の住宅ローン専門チャンネル」が話題を呼ぶ。著書に『住宅ローンで「絶対に損をしたくない人」が読む本』『家を買うときに「お金で損をしたくない人」が読む本』(いずれも日本実業出版)、監修『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)がある。