では、「ご縁」って何でしょう?
それは、自分が困ったときに頼める人がいる、相談できる人がいるということではないでしょうか。もしくはどうしていいかわからないとき、その分野に長けた人を知っているというのもそのひとつかもしれません。
船井電機株式会社創業者の故・船井哲良さんはまさに、小さなご縁を大切にしている方です。それを実感する出来事がありました。
手間を惜しまないことで
「ご縁」はつながっていく
以前、あるクリニックの理事長とランチをご一緒する機会があったのですが、その席に偶然、船井さんがいらしたのです。名刺をお渡ししてご挨拶したところ、船井さんは「はじめまして。すみません。僕は今日ちょっと名刺を持っていなくて」とおっしゃいました。そうですよね、クリニックに来ているのですから。
ところが、その翌日、船井さんから速達が届いたのです。そこには船井さんの名刺が同封されていました。当時、私は独立したばかり。もちろん、事務作業は秘書の方が行っているのでしょうが、名もない、しかも初対面の私のことを覚えていて、翌日そのような対応をしてくださる姿勢に感動しました。
そのときにいただいた名刺は、今でも私の「お守り」にしています。そして、「私も見習わなきゃ!」と思って、以後は交流会などで名刺を交換した方にはなるべく翌日の午前中までにご挨拶のメールをお送りするよう意識しています。ちょっとした手間ではありますが、実際、そこからつながっていくご縁もあります。
ひと昔前の営業担当者は、年賀状はもちろんのこと、会った人に手書きでお礼のハガキや誕生日のお祝いカードを送ったりしていましたが、最近ではそのような習慣も少なくなってきています。そんな時代だからこそ、逆に手紙を送る行為は、相手の印象に残りますよね。みんながやらない今だからこそ、有効な手段かもしれません。
どんな小さなご縁も大切にする。いつ、どこでその人との縁が深まるかわかりません。いろいろとつながりを持っていることは、仕事を進めていくうえでとても大事なことと言えるでしょう。