仕事で「良いご縁」に恵まれる人の共通点、“ただ人に会う”だけでは不十分写真はイメージです Photo:PIXTA

優れた経営者は
「良いご縁」を逃さない

「良いご縁」に恵まれることは、良い経営者の条件の一つと言えるかもしれません。しかし、ご縁はいくら待っていても向こうから来てくれるわけではありません。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 ご縁に恵まれるためには、まず多くの人に会うことが必要です。人に会わない限り、ご縁は生まれないのですから。

 かつての私のボスだった外交評論家の岡本行夫さんは、常々「人に会って損をすることはないよ」と私におっしゃり、自らも実践されていました。岡本さんの日々は多忙ですが、それでも人に会う時間をつくっていたのです。

 岡本さんはまず朝食時に人に会う。昼食時は2組と会うこともあるので、そのときは2回ランチを食べる。そして夕食も、お客さまとレストランで取る。私も岡本さんにお付き合いして、フルコースのディナーを2回食べたことがあります。

 さすがに晩年はそれが厳しいので、ディナーを2回ということは少なくなりましたが、その代わり、ホテルのバーで午後5時頃から1時間ほど1回目の人と飲む。6時になると2組目の人とディナーに行く。それが終わると、3組目の人とまた飲むことを日課にされていました。

 岡本さんが「人が好き」だったからできたことなのだとは思うのですが、とにかく数え切れないほどの人が岡本さんの考えを聞きたい、情報交換をしたいと会いに来ていました。その結果、多岐にわたる情報が岡本さんに集まり、その情報を求めてさらに多くの人が岡本さんを訪ねるという人の輪が広がっていました。

 このように、「人と会う」のは重要なのですが、一つだけ注意してほしいポイントがあります。