「かえつ有明」と「淑徳」の勢いに注目
Dランクには二つの男子校がある。獨協[2回〈午後〉]は、737人が受験して2.82倍(23年2.61倍、22年3.03倍)とこのランクで最多の受験生を集めている。志望者数は2割減から1割半減に戻しているものの、25年は23年実績程度に緩和しそうだ。203人が受験して3.63倍(23年4倍、22年3.08倍)と、さらにハードルが高い佼成学園[グローバル特別奨学生]は、3割弱増、7割弱増ときて、12月は4割増となった。25年は4倍台を回復しそうだ。
2割増から微増に落ち着いた関東学院[一期B]は、378人受験で2.02倍(23年1.91倍、22年1.99倍)だったが、25年も2倍ちょっとで推移しそうである。361人が受験して2.51倍(23年2.34倍、22年2.07倍)とハードルを上げてきた桐蔭学園中等教育学校[1回午後]は、2割減、3割減、12月は3割半減と減少傾向が進んでおり、25年は22年並みの2倍程度まで緩和する可能性が出ている。204人が受けて3.09倍(23年2.31倍、22年2.67倍)と増加基調だった日本大学[A-2日程(AF)]の志望者数は、前年並みとなっている。
208人が受けて 4.24倍(23年4.7倍、22年5.88倍)と、緩和傾向とはいえ高倍率のかえつ有明[2月1日午後特待]は、10月の3割弱減から11月は1割弱減に、12月は1割増と人気が続伸したこともあり、25年は4倍台半ばを目指すことになりそうだ。順天[1回B]は179人が受けて4.37倍(23年2.97倍、22年2.35倍)と十分高倍なこともあってか、5割弱増、2割半増、12月は1割増と月を追うごとに勢いが衰えており、25年は4倍台半ば程度にとどまりそうである。
淑徳[スーパー特進東大選抜1回]は、129人が受けて1.63倍(23年1.82倍、22年1.62倍)と受けやすい倍率ということもあってか、前年並みから1割増、12月には2割増と続伸している。25年は23年の倍率に近づきそうだ。160人が受けて3.08倍(23年4.94倍、22年4.96倍)と緩和が進む国算2科(25年は算理も加わる)の東洋大学京北[一般2回]は、10月に2割半も減少して心配されたが、11月から微減程度に回復している。25年は3倍を割るかもしれない。
24年の受験者数が100人に満たない入試回(受験者数・実倍率)も見ておこう。目黒日本大学[2回算理](56人・3.73倍)は半減前後から12月には4割弱減と戻したものの、25年には3倍を割るかもしれない。芝国際[2月1日午後特待](49人・1.96倍)は、23年の16.1倍から激しくダウンした反動で、2倍増、7割半増と増加傾向だったが、12月には3.3倍増とさらに勢いづいており、25年は5倍程度まで上がってもおかしくないだろう。25年新設でDランクとなった順天堂大学系属理数インター[1回医学進学(特待選抜)]の予想倍率は、現段階では見えてこない。
合格者数が少なかったことで倍率が跳ね上がった2校を見ておこう。郁文館[1回iP class選抜](14人・14倍)は合格者が1人だった結果なのだが、志望者数は6割ほど増えており、何人合格者が出るかで25年の倍率も大きく揺れそうだ。ドルトン東京学園[一般2月1日特待型](37人・7.4倍)も高倍率だが、23年5.38倍、22年22倍という実績を見ると、こちらも合格者を何人出すかに大きく左右されそうだ。ちなみに志望者数は2割強減である。