中位校の注目入試回

 Fランク唯一の男子校となった聖学院[1回アドバンスト]は、183人が受けて1.49倍(23年2.8倍、22年1.86倍)と動いているが、25年は前年並みとなりそうだ。この聖学院を含めて24年の受験者数が100人以上の入試回は四つある。

 306人で3.92倍(23年3.65倍、22年2.58倍)の日本工業大学駒場[2回]は、5割増から12月には6割増と続伸しており、25年は4倍を超えて5倍に乗せるかもしれない。112人で1.65倍(23年2.03倍、22年1.82倍)の文教大学付属[2回]は、増加傾向が続いて12月に4割増となったことで、25年は2倍台を回復しそうな勢いである。103人で2.15倍(23年2.09倍、22年1.77倍)の自修館中等教育学校[A2]は、10月に1割半増だったものの、2割弱減、12月は2割減となっており、25年は再び2倍を割りそうだ。

 ここからは受験者数100人に届かない入試回(24年受験者数・実倍率)を見ていこう。鶴見大学附属[難関進学1次](95人・1.36倍)は1割減、武蔵野大学[2回](91人・1.47倍)は微増、工学院大学附属[1回B](80人・1.78倍)は2割弱減で、いずれも25年は受けやすくて受かりやすい入試回となりそうだ。

 東京成徳大学[1回特待選抜](77人・1.26倍)は1割半増、聖徳学園[2月1日PM](78人・2.44倍)は6割強増、文化学園大学杉並[2回](57人・1.43倍)は2割増といずれも増加基調にある。特に聖徳学園は、25年には3倍乗せの勢いだ。実践学園[1回給費生選抜](33人・11倍)は23年が7.4倍、22年が6.25倍だったように、高倍率ではあるが変動も大きい。志望者数が少なすぎて予想は難しい。25年の倍率は合格者数次第となりそうだ。明法[1回午後](26人・1.37倍)と啓明学園[得意科目](8人・4倍)は、25年の受験者数がさらに減りそうな状況にある。倍率はともかく、受けやすいだろう。

 Gランクはどうなっているのか。唯一の男子校である藤嶺学園藤沢[2科特別奨学生](101人・1.53倍)は、人気が徐々に高まって12月には2割弱増となっており、25年も1倍台半ばを維持しそうである。

 24年受験者数が100人を超えた残りの3校はどうか。多摩大学附属聖ヶ丘[一般2回](123人・1.6倍)は、穎明館[2回4科総合]新設の影響もあったのかほぼ半減から何とか4割減に戻しており、25年は1倍強程度まで大きく緩和しそうである。立正大学付属立正[1回午後](110人・1.43倍)は微減で、25年はほぼ24年実績並みとなりそうだ。城西大学附属城西[1回午後](102人・2.55倍)は23年の1.23倍から大きく上がったが、微増を維持しており、25年も2倍台半ばを保ちそうだ。関東学院六浦[A-2日程](94人・1.81倍)は前年並みである。

 玉川学園[一般クラス2回](76人・2.11倍)は5割増を維持しており、25年は2倍台後半に迫りそうだ。横須賀学院[1次B](75人・2.78倍)は1割強増で25年には3倍に迫る。その点、帝京大学系属帝京[1回午後](67人・1.24倍)は10月の2割増から前年並み、そして12月には2割強減へと転じており、25年はさらに受けやすくて大変に受かりやすい入試回となりそうだ。

 八雲学園[2回](63人・1.13倍)は微減、明星[特別選抜クラス2回2科](50人・2.94倍)は前年並みと、その倍率は大きく異なるが、25年も同様の競争状況となりそうだ。その点、成立学園[2回特待](56 人・1.22倍)は3割半も減少しており、25年は限りなく1倍に近づきそうである。

 Hランクでは、聖学院[ものづくり思考力](56人・2.67倍)に注目したい。12月に4割減と大きく緩和しており、25年は2倍を割る可能性もある。帰国生に人気の文化学園大学杉並[英語特別1回](40人・1.74倍)は志望者数が少なくて予想は困難だが、25年に1倍台前半程度には緩和しそうだ。

 なお、2月1日午前の「最終予想」については、こちらをご覧いただきたい。