物価高倒産と人手不足倒産は
過去最多件数を大幅に更新
2024年の倒産件数を押し上げたのは、各種の原材料や食材高騰の影響を受けた『物価高倒産』で、昨年1年間で933件判明し、倒産全体の約1割を占めた。ここ数年の推移を見ても、2021年(138件)→2022年(320件)→2023年(775件)→2024年(933件)と増加ペースを強めており、過去最多を大幅に更新した。
多くの企業の収益環境に悪影響を与え続けており、業種別では、建設、製造、運輸、小売りで増加した。最近では、価格転嫁ができないまま経営破綻に追い込まれる「値上げ難型」の物価高倒産も目立ってきた。
コロナ禍に実質無利子・無担保の特別融資を受けながら、業績回復できずに行き詰まる『ゼロゼロ融資後倒産』も、増加傾向が顕著だ。
2024年は734件(前年652件)判明し、4年連続で過去最多を更新した。
このほか、『人手不足倒産』も過去最多の件数を大幅に更新した。近年の推移を見ると、2021年(111件)→2022年(140件)→2023年(260件)と増加の一途をたどるなか、2024年は342件判明した。昨年4月に時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」の影響が大きく、業種別では建設業(99件)が最も多く、運輸・通信業(66件)と合わせて全体の約5割を占めた。