試験参加者は、HeLPを受ける群(介入群、174人)と、ガイドラインに基づく理学療法ケアを受ける群(対照群、172人)にランダムに割り付けられた。
主要評価項目は、介入開始から26週間後の腰痛による生活機能障害の程度とし、Roland-Morris Disability Questionnaire(RMDQ)を用いて評価した。RMDQスコアは0〜24点で算出され、高スコアほど障害が大きいことを意味する。また、副次評価項目は、体重、痛みの強度、QOL、喫煙状況とした。
ベースライン時のRMDQスコアは、介入群で14.7点、対照群で14.0点であった。しかし26週間後の評価では、介入群のスコアが対照群に比べて有意に改善し、両群のスコアの平均差は−1.3点(95%信頼区間〔CI〕−2.5〜−0.2、P=0.03)であった。HeLPの効果は、プログラムを忠実に守った参加者においてより顕著に現れた。
また、介入群では対照群に比べて、体重減少が大きく(平均差−1.6kg、95%CI −3.2~−0.0、P=0.049)、QOL(SF Health Surveyの下位尺度である身体機能の評価スコア)の改善がより大きかった(同1.8点、0.1~3.4、P=0.04)。
さまざまな健康要因を考慮した総合的なケアを受けるべき
こうした結果を受けてWilliams氏は、「腰痛がなかなか治らない人は、脊椎に何が起こっているかのみに焦点を当てるのではなく、さまざまな健康要因を考慮した総合的なケアを受けるべきだ」と述べ、「われわれはこのメッセージを積極的に広めるべきだ」と付言している。
研究グループは、この研究が腰痛に関する将来の診療ガイドラインに影響を与えることを期待していると述べている。
また、Williams氏は、「腰痛を治療する臨床医は、患者の日常生活に対するサポートを日々の診療の中にどのように取り入れるかを考えるべきだ。その方法に『正しい』や『間違っている』はないが、最も大切にすべきことは、患者が、『自分の意見が尊重されている』、『意思決定に参加している』と感じることだ」と話している。(HealthDay News 2025年1月17日)
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