エスカレーター校 クライシス#2Photo:PIXTA

系列校に進学するルートを持つエスカレーター校の中には、大学が定員割れになって足を引っ張っているケースがある。特集『エスカレーター校 クライシス』(全15回予定)の#2では、エスカレーター校の大学について定員充足率ワーストランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

エスカレーター校68大学のうち
18校が定員割れ

 一貫教育を施すエスカレーター校の売りは付属する大学に内部進学できるシステムだ。大学受験で苦労した親世代は、わが子は受験勉強に苦しむことなく質の良い教育を受けてもらいたいと、私立校の高い学費を背負ってエスカレーター校の門をくぐらせる。

 しかし今では、系列校から内部進学する者がいなくなり、エスカレーター方式が崩壊しているところが増えた。併設する中高一貫校が進学校となって外部の大学への進学に注力し、一方で付属する大学は内部進学者も外部からの入学者も十分に確保できず、受験難度が下落してますます内部進学を避けられるという構図だ。

 2024年度入学では全国の私立大学の6割が定員割れしており、エスカレーター校の中にも定員が埋まらず、大学の募集を停止するところが出てきた。

 そこでダイヤモンド編集部では、名門校を中心に私立エスカレーター校の定員充足率ワーストランキングを作成した。60学校法人が運営する大学68校を対象にしたもので、受験人気の高い難関大学が多く含まれているにもかかわらず、18校が定員割れした。次ページでは、定員割れした18校のワーストランキングを掲載する。