
昨年春から紅麹(べにこうじ)サプリの健康被害問題で揺れた小林製薬が、2025年12月期第2四半期決算を発表した。慰謝料などとして22億円の特別損失を追加計上。累計損失は約150億円に達した。一方、同社は健康被害に関する損失は今後大きく増えない見込みとし、一定の節目を迎えたと示唆した。確かに業績は反転の兆しを見せているが、健康被害問題に関して二つのリスクも浮かび上がってきた。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
小林製薬が2035年の目標を発表
売上高はほぼ倍増の3000億円
昨年春から紅麹サプリメントの健康被害問題で揺れている小林製薬が5日、2025年12月期第2四半期決算を発表した。小林製薬は健康被害問題に関する慰謝料などとして22億円の特別損失を追加計上。累計損失は約150億円に達した。
一方、同社は補償の算定が進んだことから健康被害に関する損失は今後大きく増えないとの見立てを表明し、健康被害問題による業績への影響については一定の節目を迎えたことを示唆した。
小林製薬は健康被害問題の発覚後から中止していた広告を、今年5月から順次再開した。その効果や好調な新製品、インバウンド需要なども追い風に、25年12月期第2四半期(4~6月)だけを見ると、売上高および各利益段階で前期と同程度を確保。上期(1~6月)では、売上高690億円(前期731億円)、営業利益66億円(同94億円)、純利益31億円(同14億円)だった。
小林製薬は決算発表に併せて長期ビジョンも発表。品質徹底、海外での新市場創造などに注力し、35年の売上高を、今期の売上高予想である1710億円の2倍近い3000億円へ引き上げる目標を掲げた。創業家が会長・社長職から去った同社は豊田賀一新社長の下で変革が既に始まっており、自社通販サイトおよびコールセンターを通じた製品の販売を25年12月で終了することを発表。商品展開数削減にも着手している。
ただ、決算説明会では健康被害問題に関連し、二つのリスクも見えてきた。