評価ポイントは報酬の改善と
積極的なコミュニケーション

 25年版のベスト100では、大規模部門ではDHL Express、中規模部門ではアチーブメント、小規模部門ではあつまるが第1位となった。

 各社の評価ポイントは以下の通りだ。

・DHL Express(大規模1位)
“Connecting People, Improving Lives”というスローガンを大切に、あらゆる人が働きがいを感じられる職場づくりが推進されている。福利厚生への満足度も高く、従業員同士が祝い合う機会も充実していると特に評価されている。

・アチーブメント(中規模1位)
明確な企業理念と基礎理論に基づき、社内の文化づくりが行われている点がすべての信頼の土台となっている。また「実力主義的大家族経営」というコンセプトのもと、組織規模が拡大しても、経営トップとの直接的な接点を保つ工夫が凝らされている。

・あつまる(小規模1位)
全従業員のビジョンの集合体=会社の経営計画とする、「個人ビジョン経営」が手法として徹底されている。従業員同士が相互理解を深め、高め合うコミュニケーションの頻度が非常に多く、そのことが高い「信頼」や「連帯感」へとつながっている。

 過去2年間(24年版と25年版)で比較すると、最も改善が見られた設問は「働きに見合った報酬が支払われている」だった。

 ほかにも「経営・管理者層の期待が明確」「経営・管理者層に質問しやすい」など、リーダー層による積極的なコミュニケーションの取り組みがうかがえる。これにより、リーダーと従業員の信頼関係の醸成が進んだと考えられる。

 また、「仕事に行くことを楽しみにしている」は、これまで日本では他国と比べて低い傾向にあったが、改善が見られた。

 これらの結果から、参加企業では特に報酬の改善や経営・管理者層と従業員のコミュニケーション促進に注力してきたことがうかがえる。こうした取り組みがスコアの向上に寄与した可能性がある。