氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較! 主要100社の「20年間年収推移」#4Photo by Ryo Horiuchi

ゼネコン業界の最上位に君臨し、売上高が1兆円を優に超えるスーパーゼネコン。今回は鹿島、大林組、清水建設、大成建設を取り上げる。4社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#4では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、4社はいずれも年配の社員が優勢だった。3年後の平均年収予想額では、鹿島が現状を大幅に上回る結果となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

建設業界全体が人手不足の逆風に苦しむ中
わが世の春を謳歌するスーパーゼネコン

 建設業界に逆風が吹いている。人手不足による人件費の増加を受けてコストの上昇が続いているのだ。

 働き方改革に伴う残業時間の上限規制が昨年4月から適用され、建築作業を担う職人の不足が顕著になった。それ以前から労働者の高齢化が問題になっていたが、人手確保のため一層人件費が上がっている。

 人手不足による作業の遅れから、完工時期の予定がずれ込むケースも増えている。工期が長引けば、それだけ費用も膨らむが、残業を繰り返して突貫で工事を間に合わせることは、もはやできなくなった。

 ただし、建設業界の最上位に君臨し、売上高が1兆円を優に超えるスーパーゼネコンに関していえば、収益環境は全く異なる。

 不動産デベロッパーに対して、採算が確実に取れるプロジェクトを選ぶ「選別受注」を繰り出してきたスーパーゼネコンは2025年、過去最高益を更新した17~19年度以来となるわが世の春を迎える公算が大きい。

 今回は鹿島、大林組、清水建設、大成建設の4社を取り上げる。4社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、鹿島、大林組、清水建設、大成建設とも年配の社員が優位に立ったが、その中でも勝ち組になったのは一体どの世代か?このほか、専門家による3年後の予想年収では、鹿島が現状を大幅に上回った。次ページで確認しよう。