
近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#21では、建機・工機業界の予測年収を独自に推計し、全26社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
3年後には11社で年収減少の憂き目に
「900万円台」から脱落する会社も
中国メーカーの台頭で、商社とのタッグという勝ちパターンが曲がり角に差し掛かっている日本の建機メーカー。また、第2次トランプ米政権の誕生で、王者の米キャタピラーの攻勢も強まりそうだ。背水の陣で臨む日本勢の生き残り戦略は特集『建機 陥落危機 メーカー&商社“背水の陣”』で詳述している。
待遇の面では、年収1000万円以上の企業はなく“超高給”というわけではないが、700万~900万円台企業も多く現状は決して悪くはない。
そんな建機・工機メーカーの3年後の年収は、どうなるのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、2024年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、建機・工機業界の26社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。なお、業績予想は24年10月時点のデータに基づく。
その結果、3年後の年収が減少するのは11社という試算に。過半が減少する業界もあるから、比較的穏当な結果といえよう。
コマツ、DMG森精機、日立建機、牧野フライス製作所、三井E&S、アマダ、ローツェ、スター精密、OSG、FUJI、CKD、オークマ、旭ダイヤモンド工業、ダイフク、芝浦機械、三浦工業、ソディック、酒井重工業、アイチコーポレーションといった企業の3年後の年収はどれくらい増えるのか?あるいは減るのか。中には現状では900万円を超えている企業が800万円台に下がるケースも。それでは、一挙に見ていこう。