
近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#29では、電機業界の予測年収を独自に推計し、全91社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部・山本輝)
41社が3年後の年収減少
「1000万円組」3社から1社脱落
年収2067.1万円……。「高給企業」として知られて久しい、キーエンスの2023年度の実績である。
上場企業で電機業界に属するのは91社と多いが、23年度の実績で年収1000万円を超えるのは、キーエンスの他は、1238.4万円のファナック、1113.2万円のソニーグループ(G)の3社しかない。
パナソニック ホールディングス、日立製作所、富士通といった企業は900万円台だが、キヤノンや三菱電機、NECなどは800万円台にとどまっている。とはいえ、製造現場のスタッフの多さや、製造業全体の平均年収などを考えれば、これらの上位企業の年収も十分高水準にあるといえる。
そんな電機業界の、3年後の年収はどうなっているのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、電機業界の91社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。なお、業績予想は24年10月時点のデータに基づく。
試算では、41社の3年後の年収が減少する結果に。そして、「1000万円組」の3社からは1社が脱落、キーエンスは1000万円台を維持するものの、大幅下落という形になった。
キーエンス、ファナック、ソニーG、パナソニック ホールディングス、富士通、NEC、日立製作所、キヤノン、三菱電機、シャープ、オムロン、コニカミノルタ、日本光電、リコー、シスメックス、横河電機、ヒロセ電機、象印マホービン、サクサ、フェローテックホールディングス、芝浦メカトロニクス、HIOKI、オプテックスグループ、安川電機、フクダ電子、バッファロー、ダイヘン、富士通ゼネラル、マブチモーターといった企業の3年後の年収はどれくらい増えるのか?あるいは、減るのか。一挙に見ていこう。