自分は将来どうなるだろう……。そんな不安を持つ人は少なくないのではないだろうか。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など疑問がつきない。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。「力まず自然体でカッコいい大人」代表の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その言葉を見ていこう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)
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Photo by Takahiro Otsuji
金の使い方には「品位」が出る
金の使い方には「品位」が出る。
身近なところで言うと、所(ジョージ)さんはかっこいい金の使い方をする。
仕事ができる人の「かっこいいお金のつかい方」とは
所さんは本当に好きなものにしか金を使わない。
車やバイクはもちろん、仲間が集まる家もそう。
しかもそこでいろんな人をもてなしながら、全員が必ず笑顔になるような金を使う。
あれだけ稼いでいるからできることかもしれないけれど、とにかく使い方が上手いのだ。
「金の使い方」は人から結構見られてる
飯を食った後の支払いで、やたらと自分のカードで払いたがる人をたまに見る。
「ここは俺が払うから」ってカードを出して、みんなからは現金を徴収する、ってやつだ。
このとき貯まったポイントで、本人は旅行をしたり、買い物したりもするんだろうけど、まあ、日本はずっと給料が上がってないから、賢い方法だとは思う。
割り勘か? 奢りか?
それで思い出したのだけど、世の中には絶対「奢られたがらない」人がいる。
たとえば藤井フミヤさん。
フミヤさんは九州男児だからか絶対に奢られたがらない。
それが信条というかポリシーで、すでにそう決めている。
支払いもすごく「スマート」だ。
一方、広島男児の俺は別にどっちでもいいものだから、フミヤさんにはいつもごちそうになってしまう。
金なんて「持っている方が払う」でいい
ちなみに俺は、年下の人に奢ってもらうことはそうそうないけど、若い人に「ごちそうしたいです」って言われたら、「わかりました、ありがとう」ってなると思う。
金なんて奢りたければ奢ればいいし、金がなければ「すみません」「次は俺が奢ります」でいいと思う。
年上、年下も関係ない。
払える人が払えばいいと思っている。
「ポリシーを持って使う人」は印象に残る
話に聞くと若い人は、デートのときでも“なんとかPay”で、1円まで割り勘するらしいけど、いまや現金で小銭を出すこともあんまりないから、こういうことになるのだろう。
俺の若いときに比べたら、世の中だいぶ様変わりした。
まあ、ポイントを貯めてもいいし、なんとかPayで割り勘も結構だけど、金の使い方は他人に結構見られているから、いい歳になったら金はポリシーをもって使う人の方がスマートには見えるような気はしている。
(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)