そして全体ランクでは10位のソフトバンクグループが14兆円ですが、ソフトバンクはあくまでAIに投資をする投資家としての立場ですから、ここは今後の投資リターン次第でしょう。AI活用で20兆円クラブ入りを狙えるとなるとその下のNTTの13兆円、KDDIの11兆円あたりまでが有資格者ということではないでしょうか。

 もちろん先だってのDeepSeekショックを考えると、イノベーションが経済ショックを引き起こし、時価総額の序列が意味をなさなくなる未来もやってくるかもしれません。

 今後はGAFAMのような大きさがなくても、言い換えると巨額の投資ができないAI企業でもイノベーションで世界を変えられる可能性はあります。とはいえ時価総額の大きい企業は、それらのイノベーションを起こすポテンシャルがあるベンチャー企業を買収できるという点で、当面の間はAIの世界で影響力を発揮するでしょう。

 あらためて定義をし直すと、時価総額15兆円クラブは日本企業の頂点のグループ、時価総額20兆円クラブはそこから抜き出て世界経済を動かせる資格を得る、世界経済への挑戦者の立場だというのがこの記事での位置づけです。

 その視点で、日立製作所から見える未来は、世界をどう変えていく未来なのでしょうか。Inspire the Next、日立が次の時代に新しい風を吹かせてくれることに期待したいと思います。